【小論文解き方】兵庫県立大・神戸市看護大の「課題文型小論文」対策はこれで完璧

【小論文解き方】兵庫県立大・神戸市看護大の「課題文型小論文」対策はこれで完璧

みなさん、こんにちは!
東山自立学習塾の土井です。

小論文は、“正解”が幅広いために「勉強しにくい」「何を書けばいいかわからない」「キライ」といわれることも多い科目。しかし小論文には定石の解き方があり、セオリーに従って進めれば、ちゃんと答えが出るようになっているのです。

今回は兵庫県立大学の2次試験問題を題材に、「課題文型小論文」の解き方について解説しました。兵庫県立大に限らず、課題文型小論文に使える汎用的な解説です。ぜひ最後まで読み、小論文が得意と言えるようになってください!

それでは始めます。

課題文型小論文の概要

国公立2次試験の小論文出題形式は、課題文そのものや求められる説明の難易度に少々の差があっても、基本的な解き方は同じです。

大阪公立大学(大阪市立大学・大阪府立大学)は、兵庫県立大学や神戸市看護大学の問題に語句問題(漢字の書き取り等)が加えられた程度だと考えてください。

今回は課題文の読み取り方法や、設問の趣旨に従って解答していく記述方法を解説していきます。

解説の題材は2021年度入試・兵庫県立大学(前期日程)の小論文、第1問-1です。ぜひ、問題を手元に置いて読み進めてください。

克服のポイントは5つ!

課題文型小論文を克服するポイントは、5つあります。

① 課題文型小論文とは、課題文の読解問題だと考えよ!
② 設問の趣旨を理解し、課題文から解答を探せ!
③ 解答に結び付く箇所は、どんどん線を引きまくれ!作文は「主述・修飾語の位置」に気をつけろ!
⑤ まず字数オーバーで文章を作り、後から削れ!

早速、①~⑤を踏まえ、実際の問題を見ながら手順を解説していきましょう。

課題文の読み解き方

2021年度入試・兵庫県立大学小論文を見てください。

問題1はデータを読み取る問題なので割愛し、問題2・設問1から、解答へ至る道筋を解説していきます。

手順1.設問の主旨を正しく理解する

まず設問の主旨を正しく理解することが最重要です。

設問で何を問うているのか、しっかり考えてください。考えている間に、「あれ?何についての設問やったっけ?」と設問から離れていってしまう場合が多いので、設問の主旨はメモするなどして絶対に離れない工夫をしておきましょう。

問題にはこうあります。

設問1 下線部(1)の問に対する筆者の考えを説明しなさい。

下線部は「するとガイドブックは消えゆく存在であり、観光に不要な道具になったのだろうか。」という部分ですね。

設問の主旨がわかったところで、課題文の読解に進みましょう。

手順2.課題文は形式段落に沿って読解せよ!

課題文は形式段落に沿って文章読解する!を意識してください。

文章読解の基本は、形式段落ごとに内容をしっかりと捉えることから始まります。課題文を形式段落ごとに読解していってみましょう。

問題ではは、設問が置かれている下線部より前に3つの形式段落があることが分かります。

◆ 形式段落1の要点は?そうですね、「ガイドブックの歴史は古い」ということを言っています。

◆ 形式段落2は、「しかし」で始まることから1段落目への反論だと分かります。要点は、「インターネットの普及などから、ガイドブックの需要は縮小、漸減してきている」ということです。

◆ 形式段落3は「そして」から始まっています。つまり、形式段落2に「付け加えられている」情報であり、1と2の内容をまとめた段落ということですね。
要点は「古くから旅行のために有料で購入していたガイドブックは、スマートフォンやパソコンを活用し、無料で旅先のスポットなどを閲覧するようになってきている」、ここですね。

◆ 次の形式段落4に下線がついており、「~だろうか」という末尾から、問題提起の役割を果たしていると考えらえますね。

読解のポイント①:短い形式段落に注目しよう!

短い形式段落は次のような役割を果たすことが多いと押さえておきましょう。

① それまで内容のまとめ
② 問題提起
③ 話題転換
④ 視点の変化

この課題文の場合は、問題提起となっています。

ガイドブックが形を変え、有料から無料に変わりつつあり、その傾向は今後も続く……、という主旨を受け、「この流れなら、ガイドブックはなくなってしまうのではないか」という問題提起に対して筆者はどのように考えているかを説明すればOKだということです。

読解のポイント②:設問の解答は傍線部より後ろの文章から読み取れ!
読解のポイント③:設問の解答になりそうな箇所にはすべて傍線を引こう!

設問部分は問題提起の形になっていますから、問題に対する解答は下線部より後ろにあると予想を立てましょう。指示語を問う問題以外は、だいたい解答は設問部分より後ろにあることが多いものです。

問題提起への解答を探しながら読み進めると、「ガイドブック=ガイド+ブック」という小見出しが見つかります。

この小見出から、この先の展開は、「ガイド」「ブック」のそれぞれの変化が述べられると予想できると読解が楽になりますよ。

◆ 続く形式段落5には、「これまでの『ブック』とは異なるスタイルで「ガイド」の機能は存続し、そして新たな展開が始まっているのだ。」とあります。

唐突に出てきたようにも感じられる要素は、次の段落で説明が続くことが多い点も押さえておきましょう。

読解のポイント④:抽象的な記述=筆者の意見/具体的な記述=抽象的な記述の説明

「異なるスタイルでのガイド機能」や「新たな展開」、この要素については次の形式段落から具体的に述べられていきます。

◆ 形式段落6は「たとえば」で始まるので、形式段落5の内容を具体的に述べるパートだと理解できます。長らくガイドブックは有料であることが当たり前とされていましたが、近年は観光案内所をはじめ、地域のコミュニティ・ペーパーや地方新聞による地域色豊かな情報が無料で手に入ると書かれています。

◆ 形式段落7では、形式段落6をまとめた上で、ガイドブック制作者にとってのビジネスモデルの変化についてまとめられています。

読解のポイント⑤:「変化」は要注目ワード!

「AからBへ変化した」という内容が述べられている部分のすべてに線を引いておくのが記述解答を作り上げていく際のコツです!

今回の課題文なら、以下の部分をチェックしておきたいものです。

  • 有料で販売する「書籍モデル」から無料で配布する「広告モデル」への転換
  • 全国の書店で通年販売される大きなメディアではなく、地域を限定して年に数回発行できる小さなメディアとなる(変化) =新たな「ガイド」の機能

◆ 形式段落8は「たとえば」で始まるので、形式段落7の具体例を述べていると分かります。

特に注目したいのは、ここでもやはり「変化」を述べている箇所ですね。

「統一した誌面レイアウトで全国どこでも同じように紹介する旧来のシリーズ化されたガイドブックよりも、各地で独自に制作されるガイドブックのほうが、その地域の実情に適合した誌面を作ることができる場合もある。」という一文は、「観光における「ガイド」するメディアはスタイルを変えつつ存続し、その新たな機能を模索し続けていける」と続きます。

つまり、消えるのではなく、形を変えて存続していくことを言っているわけです。

設問1の解答作成に必要な読解はここまでです。以降の形式段落の読解は割愛しますが、同じように丁寧に読み進めてみてください。

手順2.記述解答の作り方

小論文の解答を文字数内で過不足なく書ききるコツは、次の4点を押さえることです。

1.設問の趣旨を何度も読み、趣旨を理解して解答を考える。
2.引いた下線のどこを活用するかを考えて、字数制限を超えて解答の文章を作ってみる。
3.主述の関係は大切に。主語・述語ができるだけ近い文章が読みやすい。
4.修飾語・被修飾語もできるだけ近い位置にある文章にする。

今回の設問に合うように、言いたいことを大まかにまとめると、次のようになります。

問、「ガイドブックは消えゆく存在であり、観光に不要な道具になったのだろうか。」

▶ 解答に必要な要素

  1. ガイドブック→「ガイド」と「ブック」に二要素に切り離されて考えられる。
  2. 全国の書店で販売される「有料」なガイドブック→地域限定の「無料」ガイドブックという変化
  3. 統一紙面の「書籍モデル」→地域限定の「広告モデル」という変化
  4. 観光における「ガイド」するメディアはスタイルを変えつつ存続している

書くべき内容が抽出できたところで、設問に合うよう文章にしていきましょう。

〈解答例〉
ガイドブックは「ガイド」と「ブック」の機能が切り離され、全国統一の有料の「書籍モデル」から観光地で無料配布される縮小された「広告モデル」へと変化し、観光における新たな「ガイド」機能を果たす可能性をもって存続していくと考えている。

様々な問題パターンの解き方

続いて、設問2、設問3、設問4を、「設問は、課題文を理解させるような流れで作問されている」という問題作成の意図を踏まえ、本文を分析してみましょう。

設問2の考え方・解き方

設問1は、課題文前半を理解させるための問題でした。ガイドブックがブックという形ではなく、もっと身近で地域の本質を理解できるような無料でコンパクトな「ガイド」冊子に形を変えつつあることを理解させたかったわけです。

設問2では、目的地へ行くには「ガイド=先導」「ナビ=誘導」、またそれぞれの可能性について着目させる問題となっています

「先導」と「誘導」では意味が違いますよね。目的に向かって進む人についていくのか。それとも目的地に誘い導かれるかという違いを見つけられるかがカギとなります。

設問3の考え方・解き方

設問3は、「ナビ」がメディア化し、新たに実現可能になった観光スタイルについて、本文の内容を踏まえて具体的に説明せよという問題です。

形式段落10から「ナビ」について述べられていますから、設問1で解説した「解答への方法」に従って要点をピックアップしてみてください。

  • ナビゲーションは訪問対象への経路を効率的かつ状況に即して誘導する。
  • 誘導で移動していくのは地図で観光者は画面の中央に位置し動かない。
  • 私の選択を補佐し実現するために誘導する。
  • 誘導によって観光者と訪問対象がダイレクトに出会い、自ら見て感じる案内。

こうした箇所が見つかればOKです。

問題は、「ナビ」がメディア化し、新たに実現可能になった観光スタイルについて、本文の内容を踏まえて具体的に説明せよという支持でしたね。

ここまで述べてきた「ガイド」との違いについてまとめていきましょう。

「ナビ」は観光客の案内の仕方が、まったくが異なること、ポイントは、自ら見て感じる案内形式であると、「ガイド」に掲載されている内容に左右されることがないこと。また、先導されるのではなく、知らない観光地で、自分の興味関心に応じて自由に歩き回ることができる。さらに、目的地を設定しておけば、予め「ガイド」のように決められたお薦めの道を歩まなくてもよい。

以上をまとめると解答になります。

設問4の解き方・考え方

設問4は、『「ガイド」としてのかかわりと「ナビ」としてのかかわりが適している身近な場面を示し、なぜそのかかわりが適していると考えたのか、600字以内で論じなさい』という問題です。

設問1と設問3でまとめた内容が、設問4で掲げた身近な場面の理由になっているはずなので、参考にしてみましょう。

具体例としては、大学受験などが考えられます。

大学受験では、親や教師は「ガイド」であり、目標達成の道を示す役割を果たします。一方、自分自身は「ナビ」です。設定目標は同じであっても、「ガイド」通りにはいきません。課題を都度修正しながら、右へ曲がってみたり、左へ曲がってみたりして、最後には設定目標にたどり着きます。

こうしたそれまでの設問を踏まえて論じる問題は、最終問題によくある形式です。

「課題文が理解できていますか?課題文をしっかりと読めたのかな?」という作問側の意図が盛り込まれるているのが分かりますね。

よって、自分勝手に、「ガイド」「ナビ」の語句から作文すると点数はゼロです! 繰り返しますが、「あなたの考えを書きなさい」は、あなたの考えを自分勝手に書くことではないと肝に銘じなさい。

課題文の筆者の主張を元に書かなくてはいけませんよ。

まとめ

課題文読解型小論文を書ききるには、先にもまとめた5つのコツを意識してください。

  • 課題文型小論文は、課題文の読解問題だ!
  • 設問の趣旨を理解して課題文から解答を探す!
  • 解答にむすび付くような箇所には線を引きまくれ!
  • 主述・修飾語の位置に気をつけて作文!
  • 字数制限があれば、字数オーバーで文章を作ってから削れ!

そして国公立2次試験・私立大学の課題文型小論文は、「読解→設問の趣旨を理解→設問の答えとなる部分をできるだけ沢山さがす→作文→推敲」の手順で進めます。これで完璧!

さあ、さっそくチャレンジしてみましょう!